神様がたくさんの名前を持っているのは、レベルアップするごとに名前が変化するから。
または登場する書物や神話によって名前が異なるので、神社がどの書物・神話を採用するかで、神様の名前が違うんです。
日本の神様はたくさん名前を持っている

日本で有名な神様といえば七福神の一人、「大黒様(だいこくさま)」じゃないでしょうか?
私たちに福を運んでくれる大黒様は、福の神として色々なところで信仰されています。
実はこの大黒様はたくさんの名前を持っている神様なんです。
例えば私たちの知る「大黒様」は、出雲大社では「大国主大神(おおくにぬしおおかみ)」と呼ばれています。
他にも大黒様は
- 大己貴命(おおなむちのみこと)
- 葦原醜男神(あしはらしこおのかみ)
- 葦原色許男神(あしはらしこおのかみ)
- 顕国玉神(うつくしにたまのかみ)
- 八千矛神(やちほこのかみ)
- 宇都志国玉神(うつしくにたまのかみ)
- 大物主神(おおものぬしのかみ)
- 杵築大神(きづきおおかみ)
- 大穴牟遅神(おおあなむじのかみ)
などなど、たくさんの名前を持っています。
偉業達成やスキルが上がると名前も変わる

ではなぜ大黒様は、こんなにたくさんの名前を持っているんでしょうか?
たとえば「大己貴命」という名前は、大黒様の若い頃の名前。
この名前の意味は「偉大な土地の神」という意味です。
その後、大己貴命は「葦原中国(あしはらなかつくに)」といって、地上界の国土開発をすることになります。
大己貴命は見事に葦原中国を立派な国にしました。
葦原中国は繁栄し、その様子は天上界の神々もうらやむほどでした。
立派な国造りを成し遂げた大己貴命は、「偉大な国の主」という意味の「大国主神」と呼ばれるようになります。
つまり神様が行ったことや、成し遂げたことに敬意を表して、新しい名前が贈られているのです。
ちなみ大黒様は、兄神たちにイジメられている時は「大穴牟遅神(おおあなむじのかみ)」と呼ばれ、葦原中国を支配する屈強な神様としての名前は「葦原色許男神(あしはらしこおのかみ)」、強大な武力を持つ神としての名は「八千矛神(やちほこのかみ)」です。
更に大国主神が大黒様と呼ばれるようになったのは、神仏習合時代の頃。
インドの台所の神「マハーカーラ(大黒天)」と、大国の音が通じることから大国主神と習合したと考えられています。
登場する書物の違い

神様がたくさん名前を持っている理由については、もう一つは「書物」の違いです。
神様が登場する書物といえば、『日本書紀』と『古事記』がメジャー。
日本書紀では「大己貴命」の名で登場しますが、古事記では「大穴牟遅神」と表記されています。
神社がどちらの書を採用するかで、神様の呼び名がかわります。
また神社の歴史や地域によって、神様の呼び方を変えることもあります。
とはいえ、名前が違っていても同じ神様であることは変わりません。